2026/01/25 16:48

2025年11月に収穫した生姜を、2ヶ月寝かせて「囲い生姜」として販売中です。販売価格は1kgあたり3,280円となります。


2025年は、生姜栽培で最も危険とされる根茎腐敗病が広がることもなく、無事に最低限の目標をクリアすることができました。



農薬を一切使わない生姜栽培は、続けるほどに難しくなります。単一作物を栽培し続けることで、土壌生態バランスが崩れやすくなるためです。そのバランスを維持しながら、目標とする収穫量を確保することは至難の業です。



要するに、自然をベースにしながら人間都合の結果を出そうとしているわけですから、簡単なはずがありません。それでも私は、「やらなければならない」と思っています。




生姜栽培では、年間30回までの農薬散布が許可されています。
参考:https://note.com/gingermania/n/n86c159005b77


農薬を使用する際には、防護マスクの着用が義務付けられています。
皆さん、想像してみてください。防護マスクをつけて農薬を散布している自分の姿を。


私は、その仕事をしたくありません。おそらく、多くの人も同じ気持ちではないでしょうか。だからこそ、ドローンに散布を任せる流れが生まれています。
人がやりたくないことを機械に任せる。それが、今の農業の現実です。


これについて皆さんはどう思いますか?
私は、それでいいと思っています。
機械に任せられる作業を、人が無理にやり続ける必要はありません。トラクターがあるのに、鍬で耕し続ける理由はないですよね。


「鍬で耕すことに価値がある」という考えを作物の価値に重ねる人もいますが、それは作物の価値ではなく思想です。人によっては「哲学」かもしれません。




かくいう私も、就農当初は鍬・鎌・草刈機しか持たず、ほとんどの作業をその3つで行っていました。さらに、11年間にわたり完全無肥料栽培にも挑戦してきました。


理由は、「無肥料で持続可能な農業が実現できたら理想的だよね」という、至ってシンプルなものです。その分、体力も時間も惜しみなく投入しました。適期作業を徹底し、肥料以外でできることはすべてやったと思います。


その結果、私は「無肥料栽培は持続可能な農業には至らない」と結論づけました。
そして今は、「機械にできることは機械に任せる」という考えに至っています。

ここでいう農業とは、税金を投じるに値する産業としての農業を指しています。




では、作物の価値は何で決まるのか?

私は、次の二つだと考えています。


  • 味と密度

  • 背景


味と密度を司るのは、土中微生物の多様性と水です。そして、それらを決定づけるのが背景です。

私たちが化学肥料を使わない理由は、土中微生物の多様性を損なうから
農薬を使わない理由は、背景を壊すからです。
背景が壊れるということは、世界の多様性が失われるということでもあります。

農業は、世界の多様性を司る営みなのです。




私たちは、この二つを守れる価格を設定しています。

私たちより安価な生姜は確かにあります。それでも、この価格で購入してほしいと考えています。そして色んな人と一緒に農業の未来を創りたいです。まだ栽培課題は山積しています。毎年チャレンジの繰り返しです。でも確実に前進しています。


私たちの目的は農業従事者を増やす事です。
誰もが安心して職業として選べる農業を実現したい。
それは、就農以来ずっと変わらない目標です。

一方で、色んな形で農業に関わる関係人口を増やしたい。地球の未来、農業の未来、暮らしの未来。それらを護る手段として、自然栽培による生姜の生産力を、さらに高めていきたいと考えています。




まもなく、今年の植え付け体験の募集を開始予定です。
宿泊施設はありませんが、自然の中で体を動かす農作業は本当に気持ちが良いものです。ぜひご参加をご検討ください。

例年、4月1日〜20日頃に実施しています。
詳細は改めてお知らせします。