生姜は紀元前500年以上前から生薬として使われてきました。現在、約150種類あるといわれる漢方薬のうち、7割に生姜が使われています。生姜を毎日の食生活に取り入れることで、さまざまな病気の改善が期待できます。大学などの研究機関でも実証されている具体的な効果ですので、ぜひ多くの方々に生姜を活用していただきたいと思います。

生姜は特別な栄養素というよりも、体のバランスをとることに優れた“バランサー”の役割を果たします。もともと誰もが備えている生体機能のバランスを整え、細胞の酸化(老化)を防ぐことで、機能の劣化を抑え、健康維持を図る食品です。気候変動に伴う温暖化の影響は年々厳しさを増しています。こうした環境変化に耐えうる肉体や精神を維持するためにも、心身の健康は欠かせません。

他の多くの生薬と比べて、生姜の良いところは「美味しく食べられること」ではないでしょうか。生姜はどの食材とも相性が良く、ガリのように単体でも美味しく食べられます。また、ジンジャーエールなどの飲み物でも多く摂取でき、食べ過ぎの心配がないのも嬉しい点です。

以下では、生姜の多岐にわたる効能をまとめました。ぜひ参考にしてください。

🍽 食べること・飲むことがもっと楽しくなる!食前・食中におすすめ「生姜」の力

​✅ 疲労・筋肉痛を軽減
生姜に含まれる「プロテアーゼ」がタンパク質の吸収を高め、筋肉の修復をサポートしま
す。さらに、生姜のピリッとした辛みがドーパミン分泌を促進し、疲労感をやわらげます。仕事終わりや運動後に本品はおすすめです。

✅冷え性の改善
生姜の成分、ジンゲロールが末梢血管を拡張させ血流を良くします。また、ショウガオールが基礎代謝を上げて消費エネルギーを高め、体の深部を温めます。

✅ リラックス効果
生姜の香り成分ジンギベレンは、自律神経を整え、緊張をやわらげる効果があります。

✅ 食事の楽しさを高める!
生姜は唾液の分泌を促し、嚥下機能を改善させます。食事の15分前に5%から40%の生姜を口に含むと「サブスタンスP」という神経伝達物質が増加し、食べる喜びや嚥下(飲み込み)機能が向上します。その効果は2時間続きます。

✅ 消化をサポート
生姜の成分「ショウガオール」が胃腸の働きを助けて消化吸収がよくなります。

​✅ 熱中症対策
​紫外線による活性酸素の発生を抑える。
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​✅​動脈硬化  
活性酸素で悪玉コレステロールの酸化を防ぐ。​

✅その他効能
食欲を増進する / 低体温症の改善 (癌発生リスクの軽減) / お腹の調子を調える(ガス・下痢・便秘)/ 殺菌作用 / 抗ウイルス作用/吐き気を抑える(つわり・酔い止め・抗がん剤副作用)/ 生活習慣病の予防(血圧・血糖・コレステロール)/ アレルギーを抑える / 痛み・炎症を抑える(腰・ひざ・関節)/ 免疫力向上 / 熱中症予防

大学の研究機関で線虫から実証された主な効能結果

[熱ストレスへの抵抗性を高める]
線虫に普通の餌とジンゲロールないしショウガオールを添加した餌を与えて、耐熱能力とを比較した結果、これを与えた線虫は、与えなかった線虫より耐熱能力が上がった。

[寿命を延ばす]
線虫に普通の餌とショウガオールないしジンゲロールを添加した餌を与えて、その寿命を比較した結果、普通に餌を与えられた線虫の寿命が8時間に対して、ショウガオールないしジンゲロールを加えた餌を与えた線虫の寿命は25時間に延びた。更に、ショウガオールないしジンゲロールを餌に加えた。線虫にjuglone(酸化物質)を与えても尚、線虫の寿命は延びた。(1000回中999回)

[抗酸化酵素が上がる]
ショウガオールないしジンゲロールを与えた線虫には抗酸化酵素が増えた。
結果、酸化物質が減った。酸化物質が減るとシミやくすみがとれる。

[体を温める ]
ショウガオールとジンゲロールは血流をよくすることで低体温症改善に効果がある。どの程度生姜を食べると体か温まり出すかについて、ジンゲロールなら2.835mg、ショウカオールなら0.23mg です。生の生姜であれば3g〜7g程度食べると温め効果が得られます。*個体差があるので目安としてください。

*線虫は遺伝子の約 70% がヒトの遺伝子と相同性を有しており(共通の祖先に由来している)、 線虫はヒトに関連する疾患の研究でモデル生物として活用されています。