生姜は美しい。囲い生姜も美しいけど、新生姜の美しさときたらそれはもう素ん晴らしくて、白い肌とピンク色のコントラストに胸がキュンとするほど美しい。香りは甘く華やかなで美しい。丸みを帯びた形と丸み帯びた風味、そして、最後はキリッと辛くてスッと消える、その潔い感じがまた美しい。
私は今年も美しい生姜に会いたくて毎日一生懸命生きている。新生姜の美しさは格別だ。本日、今年の栽培プランがようやく決まったのでチョッと一安心。今年は、病気リスクを回避する為に６ヶ所の畑で栽培をする事にした。それぞれ条件が異なる圃場なので、面白さもあるが、何しろしっかり結果を出さなければならないので、常に緊張感がついて回る。
自然栽培で生姜を育てる事は難しい。自然栽培は微生物の生命活動があってはじめて成り立つ農法だ。微生物の生態系を活性維持することで、美しく美味しい生姜を栽培する。微生物の代謝物を生姜が吸収して育つ。微生物は土の中の餌（有機物）を食べて生き、死んだらその死骸は別の微生物の餌になる・・・の繰り返し。そこで私は思った。
「微生物は共食いをするのか？」
微生物は共食いをするのだろうか？それとも、私たちが微生物と一括りにしている者は、属とか門とがあって、これらは全く異なる生き物だから共食いではないのか。。。とか。何れにしても、土の中の食物連鎖から代謝された元素を活用して生まれたのが植物で、私はその仕組みを利用し省エネで生姜を栽培する事で農村の未来を作ろうとしている。
私は、みんなが買いたくなるような美しく美味しい、そして何よりパワフルな生姜を育てられる人になりたい。

ハンマーナイフをかけてたら、突然目の前をぴょんぴょん跳ねながら逃げる生き物がいた。追いかけてみると野うさぎ。私に捕まえられて静かに怯える野うさぎに、大きな力に抗う事の出来ない弱い立場の生き物の姿を見た。